個人的には書評の段が面白く、具体的な書評を挙げてその性質、意図、パターンなんかを解説してくれます。

読む・打つ・書く ライフスタイル
読む・打つ・書く 

本のタイトル

読む・打つ・書く 』
三中 信宏(著/文)
発行:東京大学出版会

【本の紹介】

 ようこそ、みなかワールドへ! 理系研究者を生業としながら,数多の本を読み,新聞やSNSなどさまざまなメディアで書評を打ち,いくつもの単著を出版してきた〈みなか先生〉からの〈本の世界〉への熱きメッセージ.さあ,まずはたくさん本を読もう!

【本の目次】

本噺前口上 「読む」「打つ」「書く」が奏でる “居心地の良さ” 

プレリュード――本とのつきあいは利己的に
 1.読むこと――読書論
 2.打つこと――書評論
 3.書くこと――執筆論

第1楽章 「読む」――本読みのアンテナを張る
 1-1.読書という一期一会
 1-2.読む本を探す
 1-3.本をどう読むのか?――“本を学ぶ”と“本で学ぶ”
 1-4.紙から電子への往路――その光と闇を見つめて
 1-5.電子から紙への復路――フィジカル・アンカーの視点
 1-6.忘却への飽くなき抵抗 ――アブダクションとしての読書のために
 1-7.“紙” は細部に宿る――目次・註・文献・索引・図版・カバー・帯
 1-8.けっきょく,どのデバイスでどう読むのか

インターリュード(1)「棲む」―― “辺境” に生きる日々の生活
 1.ローカルに生きる孤独な研究者の人生行路
 2.限界集落アカデミアの残照に染まる時代に
 3.マイナーな研究分野を突き進む覚悟と諦観

第2楽章 「打つ」――息を吸えば吐くように
 2-1.はじめに――書評を打ち続けて幾星霜
 2-2.書評ワールドの多様性とその保全――豊崎由美『ニッポンの書評』を読んで
 2-3.書評のスタイルと事例
 2-4.書評頻度分布の推定とその利用
 2-5.書評メディア今昔――書評はどこに載せればいいのか
 2-6.おわりに――自己加圧的 “ナッジ” としての書評

インターリュード(2)「買う」――本を買い続ける背徳の人生
 1.自分だけの “内なる図書館” をつくる
 2.専門知の体系への近くて遠い道のり
 3.ひとりで育てる “隠し田” ライブラリー

第3楽章 「書く」――本を書くのは自分だ
 3-1.はじめに――“本書き” のロールモデルを探して――逆風に立つ研究者=書き手
 3-2.「読む」「打つ」「書く」は三位一体
 3-3.千字の文も一字から――超実践的執筆私論
 3-4.まとめよ,さらば救われん――悪魔のように細心に,天使のように大胆に
 3-5.おわりに――一冊は一日にしてならず……『読む・打つ・書く』ができるまで

ポストリュード――本が築く “サード・プレイス” を求めて
 1.翻訳は誰のため?――いばらの道をあえて選ぶ
 2.英語の本への寄稿――David M.Williams et al.,The Future of Phylogenetic Systematics
 3.“本の系統樹” ――“旧三部作” から “新三部作” を経てさらに伸びる枝葉

本噺納め口上 「山のあなたの空遠く 『幸』住むと人のいふ」

Climbing the Impossible Mountain:
Reading, Reviewing, and Writing for the Bookworm-Scientist 
Nobuhiro MINAKA

【本を読んだ感想】

 本を読み、書評を打ち、自書を書く。

 研究者による本なので、その中心にあるものは論文であり専門書です。

 なので小説の読み方とか期待するとちょっと違うな、と思うかもしれませんが、このタイトルと著者からそういうのを期待する人はいませんね、はい。

 著者の人柄(ちょっと曲者っぽい?)なんかが垣間見える感じではありますが、難しさとか読みにくさとかはあまりありません。

 少しばかり、同じ話を繰り返すような箇所があったりして、「あれ?このページ読んだっけ?」とはなりましたが、それも気にするほどではありません。

 個人的には書評の段が面白く、具体的な書評(「白っぽい書評」も「黒っぽい書評」も)を挙げてその性質、意図、パターンなんかを解説してくれます。なるほど、と思います。

 いや、ストイックな方にも見えましたが、著者のいう「整数倍の威力」は確かに重要で、本を書くわけではない僕のような人間でも、「少しずつでも本を読み」、「少しずつでも言葉にしていく」というのが必要だろうなと思います。

 なかなかに面白そうな人なので最近行われたゲンロンのアーカイブ、買うかどうか迷いますね

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