資本主義のままでいくと、、、新しいマルクス観がわかります!!【経済・環境・SDGs】

人新世の「資本論」ライフスタイル
人新世の「資本論」
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本のタイトル

『人新世の「資本論」』

【著者略歴】

斎藤幸平(さいとう こうへい)
 1987年生まれ。大阪市立大学大学院経済学研究科准教授。ベルリン・フンボルト大学哲学科博士課程修了。博士(哲学)。専門は経済思想、社会思想。
 Karl Marx’s Ecosocialism:Capital,Nature,and the Unfinished Critique of Political Economy (邦訳『大洪水の前に』)によって権威ある「ドイッチャー記念賞」を日本人初歴代最年少で受賞。
 編著に『未来への大分岐』など。

【本の紹介】

 人類の経済活動が地球を破壊する「人新世」=環境危機の時代。
 気候変動を放置すれば、この社会は野蛮状態に陥るだろう。
 それを阻止するためには資本主義の際限なき利潤追求を止めなければならないが、資本主義を捨てた文明に繁栄などありうるのか。
 いや、危機の解決策はある。
 ヒントは、著者が発掘した晩期マルクスの思想の中に眠っていた。
 世界的に注目を浴びる俊英が、豊かな未来社会への道筋を具体的に描きだす!

【各界が絶賛!】
■松岡正剛氏(編集工学研究所所長)
 気候、マルクス、人新世。 これらを横断する経済思想が、ついに出現したね。日本はそんな才能を待っていた! 

■白井聡氏(政治学者)
 「マルクスへ帰れ」と人は言う。だがマルクスからどこへ行く?斎藤幸平は、その答えに誰よりも早くたどり着いた。 理論と実践の、この見事な結合に刮目せよ。

■坂本龍一氏(音楽家)
 気候危機をとめ、生活を豊かにし、余暇を増やし、格差もなくなる、そんな社会が可能だとしたら?

■水野和夫氏(経済学者)
 資本主義を終わらせれば、豊かな社会がやってくる。だが、資本主義を止めなければ、歴史が終わる。常識を破る、衝撃の名著だ。

【目次】

はじめに――SDGsは「大衆のアヘン」である!
第1章:気候変動と帝国的生活様式
 気候変動が文明を危機に/フロンティアの消滅―市場と環境の二重の限界にぶつかる資本主義

第2章:気候ケインズ主義の限界
 二酸化炭素排出と経済成長は切り離せない

第3章:資本主義システムでの脱成長を撃つ
 なぜ資本主義では脱成長は不可能なのか

第4章:「人新世」のマルクス
 地球を〈コモン〉として管理する/〈コモン〉を再建するためのコミュニズム/新解釈! 進歩史観を捨てた晩年のマルクス

第5章:加速主義という現実逃避
 生産力至上主義が生んだ幻想/資本の「包摂」によって無力になる私たち

第6章:欠乏の資本主義、潤沢なコミュニズム
 貧しさの原因は資本主義

第7章:脱成長コミュニズムが世界を救う
 コロナ禍も「人新世」の産物/脱成長コミュニズムとは何か

第8章 気候正義という「梃子」
 グローバル・サウスから世界へ

おわりに――歴史を終わらせないために

【本の感想】

 NHKの番組で「100分de名著」という番組(25分×4週)がありまして、1月のテーマがマルクスの「資本論」。

 この解説者として呼ばれているのが本書の著者です。まあ、とりあえず、売れてるっぽいし、一回読んでみるかと手に取ってみました。

 こういったテーマについては不勉強なもので何も知らないのですが、比較的読みやすい本だと思います。

 人新世とは、人間の活動が地球全体に影響を与えるほど大きくなった時代、という意味だそうですが、そんななかでどうしていくべきか、というのを問いかけます。

 地球の環境が悪化している
(しかも手遅れ寸前にまで)
理由は何か→資本主義である。


 資本主義はその利益追求のために様々な代償を払う必要があるが、それは先進国である我々には見えない形(例えば、発展途上国に代償を押し付ける)で処理されてきた。


しかし、地球自体は有限であるため、

周辺へと代償を押し付けるのは必ず無理になるタイミングがやってくる。

それがタイムリミットとして見えるところまで来ている。

 また、資本主義は「価値」を増やすことを目的とし「価値」を増やすためには「希少性」を目指す→希少性を目的とするため、「全ての人が豊かになること」は不可能な制度であるとし、その対抗として著者は支配・従属関係の無い「コミュニズム」(⇔権力や独占)において進められる「脱成長」を掲げる。

 脱成長コミュニズムの中で、重視されるのは物の「価値」ではなく「使用価値」である。(例えば、水を買う値段は「価値」であり、水を何に使えるかが「使用価値」)無駄な「価値」を生産する労働を減らせば、経済の減速が起こり、地球環境への悪影響は抑えられる。


経済の減速は一見、豊かさを手離すようにも思えるが、実際の「使用価値」 は大きくなるためみんなの生活の質は豊かになる。


むしろ資本主義のままでいくと、地球が駄目になるのは確定しているし、一握りの富裕層以外は、より貧しくなることは目に見えてるじゃないかみたいなことを、資本論の時点からさらに転回した晩年のマルクスを引用しながら書いていきます。

 正直、マルクスが先か、地球環境が先かみたいな論理展開が目に付く気もしますが、全体的に面白い読み物です。

 結論は独創的。『マルクス研究者が「新しいマルクス観」を書きたかった』本、という感じかな、と思いました。


私はは比較できるほど従来のマルクス観をあまり知りませんし、独創性を拾えるほどの前提知識が無いだけでしょうがね

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