【2023年版】「これは!」と共感必至!心豊かにする必読書籍5選

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  あなたが次に手に取るべき一冊は、どの本ですか?読書は人生を豊かにし、視野を広げ、心に深く響く体験を提供します。

 今回は、私が最近読んだ5冊の名作をピックアップしました。

 それぞれが人種差別、地域コミュニティ、戦争、哲学、そして知識の価値について深遠な洞察を与えてくれました。

 これらの作品についての私の感想をぜひ参考にして読むきっかけにしてください。

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目次

心豊かにする必読書籍5選

非色

『非色 』
有吉 佐和子(著/文)
発行:河出書房新社

 この小説は、1960年代のニューヨークで繰り広げられる人種差別の物語を描いています。そのテーマは重厚ではありますが、個々のキャラクターと巧妙なストーリーテリングによって、読者は最後の一文まで引き込まれます。

 差別の矛先に立たされる人、そして主人公も含めて、様々な状況で「私たちをあんな連中と一緒にしないで」と、当然のように言葉にします。

 この小説はフィクションですが、描かれているのは現実の一端であり、私たちが認識するべき出発点でしょう。

 差別は他人事ではないという事実を認識し、私たちは軽々しく「差別なんてしない」と言うのを止めるべきです。

雪沼とその周辺

『雪沼とその周辺 』
堀江 敏幸(著/文)
発行:新潮社

 「雪沼」という架空の地域を舞台にした短篇集は、そこで生活する人々の日常を美しく描いています。ある一篇は過去にセンター試験の国語に出題されたこともあり、多くの方々が一度は目にしたことがあるかもしれません。
 この集められた物語たちは全て素晴らしい作品です。ゆっくりと時間を取り、一篇ずつ味わって読むことをお勧めします。

 物語は我々の普段の時間感覚よりもゆったりと流れているように感じられます。短篇集の中の各物語は独立しているものの、”雪沼”という特別な雰囲気を共有していると感じられます。この独特の空気感は、読者を魅了し、一つ一つの物語を通じてその土地と人々の深層を見せてくれます。

同志少女よ、敵を撃て

『同志少女よ、敵を撃て 』
逢坂冬馬(著/文)
発行:早川書房

 早川書房が発売前から大プッシュ、煽りに煽っている本で気になっておりましたが、結果、これは大変に面白い小説でした。

 独ソ戦をソ連の狙撃兵として戦うこととなった少女の話です。

 単純なヒーロー譚のような「胸がスカッとする」類いの話では無いので、おすすめするタイミングを選ぶかもしれませんが、それでも。

 『物語の中の兵士は、必ず男の姿をしていた。』と本文にもありますが、ソ連では女性が兵士として(しかも前線に)多数参加していた、と昔知ったときに衝撃を受けたのを思い出しました。

 「狙撃兵」の持つある種の静かさーー敵が顔を出すまでじっと待つーーも主人公の設定として実に良いです。狙撃兵だから味方の歩兵からは、「自分達を前に出して距離を置いた安全なところから敵を撃つやつ」として適切な評価を得られない。

 いや、戦争における適切な評価とは、とも考えさせられますが。」を読者に読みやすく共感を得る文章にライティングしなおしてください。

カラマーゾフの兄弟

『カラマーゾフの兄弟』上 中 下
ドストエフスキー(著/文)
原卓也(翻訳)
発行:新潮文庫

 ついに私もその仲間入りをしました、”カラマーゾフの兄弟”を読んだ人々の仲間入りを。この小説のタイトルは多くの人が知っているし、名作であることは評判通りですが、読むまでのハードルが高いというのが一般的な印象でしょう。

 私自身の感想としては、他人に推薦するほどの感銘を受けたかと言われると、そうではありませんでした(自分を低めの文学愛好家としています)。

 それでも、私はこの本が面白かったと感じ、時間の無駄だとは思いません。一部は再読したいと思える部分もあります。しかし、現代の日本人がこの本を読んで、「おすすめです、是非読んでみて」と言うのは、正直な感想ではないように思います。

 「大審問官」という挫折ポイントと言われる部分は、寓話として楽しめました。しかし、ドストエフスキーが問題意識を持っているであろうカトリックと正教の違いについては、私自身がキリスト教徒ではないため、理解できていない部分もあるかもしれません。

 また、「父親殺し」のミステリー要素や裁判の場面、無神論者の次男と信仰深い三男の対比、子どもたちに対する希望的な描写など、作者の主張が強く見えすぎると感じるかもしれません。しかし、これらの要素に興味があるなら、この本を読む価値はあると思います。

 「面白いけど挫折しそう」、この感覚は多くの人が共有するものだと思います。だからこそ、その心配を捨てて読み始めてみてください。

華氏451度

『華氏451度』
レイ・ブラッドベリ(著/文)
伊藤 典夫(翻訳)
発行:早川書房

 あまりにも名高い作品だからこそ、実際に読むまでには至らないこともあるのが実情です。しかし、「100分de名著」(NHK)で取り上げられたことがきっかけで、私もその機会を逃さずに読むことにしました。
 
 物語の中心には、「昇火士」と呼ばれ、本を焼くことを生業とする男性がいます。本が禁止されている世界に何の疑問も抱かず、ただ黙々と仕事をこなしていた彼ですが、ある日、隣に住む少女との会話が彼の心に深く突き刺さります。


 そして彼の違和感は、ある老女が自らの本を譲らず、本と共に焼かれる運命を選んだ瞬間に、「本には何か特別な価値がある」という確信へと変わります。

 一筋縄ではいかない物語展開、特に終盤部分は、一見納得しにくいかもしれませんが、それが古典として長く愛される理由を十分に垣間見せてくれます。

 この小説は文字通り「本を焼く」行為を描きますが、現在の私たちの世界にも、時間に追われ深く考える時間が削られ、比喩的に「本を焼いている」状況が広がっていると感じます。

 物語の中で、「人々はだんだんと短いもの(要約、概要、抄録)を求めるようになる」という言葉が出てきます。現実の世界でも「あらすじで読む名著」のような本が増えており、私自身もそのような本を読んで満足してしまうことがあります。

 しかし、インスタントな本が好きな私としても、「あらすじで読んだ気になる」だけでなく、それをステップとしてさらに深い知識や理解を追求したいと感じてきました。

まとめ

 読み終えた今、これら5冊は私の心に深い印象を残しました。
 『非色』は人種差別の痛みと葛藤を鮮烈に描き出し、『雪沼とその周辺』は地域の人々の静かな生活を感じさせてくれました。『同志少女よ、敵を撃て』は戦争の中の女性兵士の視点を描き、『カラマーゾフの兄弟』は深遠な哲学的問いを提起し、そして『華氏451度』は知識の価値とその損失の危険性を強調しています。

 どれも違った視点から人間の経験を描いており、読者に深い洞察と共感を提供します。これらの作品は一生に一度は読むべきだと思います。

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