新たな視界を開く道しるべ、それがこの3冊です。
『科学を語るとはどういうことか』は、我々が物事の核心をつかむための科学的思考を教えてくれます。『近代文化史入門 超英文学講義』は、文化や社会に対する洞察力を高め、我々の視点を広げてくれます。そして「絵を見る技術 名画の構造を読み解く」は、芸術を深く理解し、感じるための手段を提供します。
科学・文化史・芸術の3冊
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科学を語るとはどういうことか
この対談形式の本は、物理学者須藤さんが「科学哲学」について抱いていた深い疑問を、哲学者の伊勢田さんに直接ぶつける、異種領域間のエキサイティングな対話の場です。須藤さんの疑問は、「科学哲学が最終的には個々の好みに帰結する問題を、なぜ設定するのか」という、実に核心をつくもの。
伊勢田さんは、これに対して細やかかつ丁寧に応答を繰り広げます。この応答の中で、お二人の認識の違いや、最終的には調和が見つからない部分が徐々に明らかになります。伊勢田さんの回答は、分かりやすく、須藤さんの疑問と対峙する私たちにとっては、特にありがたいものでした。
ただ、この対話は、一般的な「そうか、それが真実だったのね」という単純な納得という形では終わりません。それは、須藤さんの言葉が時折強い批判や、ただの揚げ足取りに見えることもあるからです。しかし、それは須藤さんが真実を追求し、「本当に理解し、納得したい」という切実な気持ちの表れであると感じられます。
また、私たちが普段慣れ親しんでいる「テンポの良い読みやすい本」からは少し離れ、まるで議論が平行線を辿っているかのような感覚に陥ることもあります。しかし、そこでお二人が一度も理解を放棄しない姿勢には、深く感銘を受けます。
近代文化史入門 超英文学講義
この本は、まさに「学魔」が表現する世界を飛び越え、繋ぎ合わせる一冊です。英文学を語るためにニュートンの「光学」から話を始め、それが詩人たちにどのような影響を与えたかを示します。
その流れの中で、多様な解釈を可能にするシェイクスピアから始まり、言葉の一意性を強調する王立協会、さらにはシンプルな言葉を否定するロマン派へと、あたかも時間旅行をしているかのように物語は進行します。
そしてその背景に、時代の流行やグランドツアーの影響が巧みに描かれています。イギリス人がイタリア旅行から帰国した際に、現地で見た庭園を自宅にまるごと再現しようとするエピソードなど、フランスの直線的な景色を避ける傾向と繋がっています。そして、そのすべてが19世紀のキャロルにまでつながるのです。
初めて「学魔」の書いた本を読む私たちは、全てを完全に理解できたわけではありませんが、ただテキストを読むだけでなく、その時代の状況や流行を含めた広い視野で物事を見る新たな視点は、非常に魅力的で興味深いものでした。
絵を見る技術 名画の構造を読み解く
この本は、誰もが楽しむことができるほど、鮮やかで興味深い内容が盛り込まれています。絵画を見る際の視線の動き、バランス感覚、そして構図について、私たちが普段あまり意識しない部分を学ぶことができます。
確かに、全てに対して完全に納得できるわけではありません。しかし、それでもこの本は再読に値します。特に、現在の状況が落ち着き、再び美術館を気軽に訪れることができるようになったら、一度読み返してみてください。
この本を読んだ後で美術館を訪れると、何かが違って見えるかもしれません。大切なのは、「みんなが良いと言うから良い」ではなく、自分自身があらゆる角度から「良い」と感じることです。
美の価値観は、人それぞれで、複雑で難解なものです。ですから、直感を信じつつも、この本から学んだ知識をプラスすることで、新たな視点を持つことができるでます
まとめ
これらの本はそれぞれが独特の視点を持ちつつ、私たちが世界を理解するためのツールとなります。
科学的な探求心、歴史と文化に対する理解、芸術に対する敏感さ。これらの視点を持つことで、我々の世界はより鮮やかで、多面的で、深いものになります。
この3冊の旅に出て、あなた自身の世界を拡大し、この機会に深めてみてください。